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FM音源とは。

2011.6.3 Hautbois. / sccwave(Twitter) / MML
かなり簡略されたFM音源エディターができたので、書いてみます。


周波数変調を応用する音色合成方式を用いた音源。基本となる数学式はこうなりますが、



難しい事はどのHPをみても書いてあるので省きます。

FM音源を聞いてみる。見てみる。

私が作成したソフトで音を聞くだけでなく見てみる。
ダウンロードはこちら。 左の黒枠は鳴っている音の波形。右の黒枠は鳴っている音のパワースペクトル。

シンセブラスっぽいもの

ベルっぽいもの


こんな感じで、上の難しい式にしたがって、少しのパラメータで色々な音色が作れます。

基本的な音色の変え方(パラメータ[ML]マルチプル)

・FM音源のキモその1
サイン波というもを聞いたことがあるかもしれません。
このような音です。


このサイン波に対してもう1つサイン波を用意して、先ほどの波形に変調します。
この変調というのは、わかりやすく説明すると、
Cさんが歌っているところへMさんが歌いながらCさんをくすぐる。こういう感じです。
このCさんがキャリアと呼ばれていて、Mさんがモジュレータと呼びます。
まずはまったく同じ音程で歌いながらくすぐります。
モジュレータとキャリアのMLがどちらも1で、
モジュレータのTLを127から0に変化させます。(127が無音で0が最大なのです!)

上の白枠の波形がサイン波からだんだん変わっていくのがわかるでしょう。
くすぐられて、Cさん(キャリア)の声が変わりました。(ノコギリ波形に近づきました)

次にMさん(モジュレータ)の音程をオクターブ上にしてくすぐってみます。すると
モジュレータのMLが2で、キャリアのMLが1


先ほどとは違う音色になりました。(矩形波に近づきました。)
この用にMさん(モジュレータ)の音程を変える事によって基本的な音色が変わります。
これがパラメータ「ML」マルチプルです。含まれる倍音が変わります
0(1に対して1オクターブ下)から15まで変化できます。
また、現状小数点以下も入力できます。ためしにモジュレータのMLを1.01にしてみます。

これは微妙に音程が違うのでうねります。下記の時間的な音色変化にも関係します。

時間的な音色変化(エンベロープ[ADSR])

・FM音源のキモその2
みなさんリコーダーは吹いた事があると思います。
いきなり強い息で吹くとピーっと高い音がでてしましますね。
逆に弱い息でふくとフゥゥと不安定です。
弱い息から強い息に変えて行くと、音が小さい→大きくなりますね。
雑に言うとこれをエンベロープと言います。(高い音がなるのはちょっと違うけど)
そしてこの時間的音量の変化を
AR(アタックレート) 最初音が鳴っていない状態から最大になるまでの時間
DR(ディケイレート) 最大の状態からSLで指定した音量になるまでの時間
SR(サスティンレート)SLの音量になってから無音になるまでの時間
RR(リリースレート) 鍵盤を話してから無音になるまでの時間(余韻)
SL(サスティンレベル)鍵盤を押している間キープされる音量
実はこのエンベロープというのは倍音と同じように、音色を決めるかなり重要な要素なのです
サイン波形だけで見てみます。 まずは、ピアノや、ハープ、ギターなど、音を鳴らしてもだんだん小さくなって消えていく感じです。

次はオルガンや、バイオリンなどのように持続する感じです。でも最初にちょっと工夫してあります。

この2つはCさん(キャリア)だけ(Mさん(モジュレータ)には動かず黙っていただいてます)

次は、Cさんは決まった音程、音量で歌ってもらい、
Mさんに上のような音量操作をしてもらいます。(くすぐりながら)

音が鳴り始めてからだんだんサイン波に戻って行きます。
もう1つはシンセブラスっぽい感じです。


この用にキャリアとモジュレータのエンベロープを操作することによって、
時間的な音色、音量の変化を作る事ができます。
キャリア、モジュレータともにTLというパラメータがありますが少し意味が違います
キャリアのTLは単純に音量になりますが、モジュレータのTLはくすぐり具合になります。
これを自動的に操作するのがエンベロープということになりますが、
TLはエンベロープと独立しています。


フィードバック[FB]について

これはモジュレータ自身が自分をくすぐりながらキャリアをくすぐるという
ヘンタイ!?な感じのパラメータですが、このパラメータのおかげで
もっとシャープな音色や、ディストーションギターのような歪みまで作れます。

次に向けて

このようにキャリアとモジュレータの音程(ML)、またエンベロープによって、
発音してから余韻まで、どんどん音色音量が変わっていくことができて、
しかもそれは現在音のファイルとしてポピュラーなWAV,MP3,AIFFなどとちがって
ごく少ない容量(というか数バイト)で作る事ができるのです。
それらの理由から1986年くらいのゲーム機やPC、
また現在でも携帯電話の着メロなどに使われています。

今回はキャリア1モジュレータ1の合計2人?だけでしたが、
上記のようなゲーム機、PC、着メロなどに使われているFM音源では、
合計4人、または6人でもっと幅広い音色が作れるようになっています。
この人数がオペレータと呼ばれていて、
2OPのFM音源とか、4OPのFM音源とか呼ばれるわけです。
今回は2OPの直列のみでの説明でしたが、どこまで作るかは気分次第です。。
ちなみに1983年にヤマハから発売されたシンセサイザーDX7は現在でも現役です。
これは6OPのFM音源でありもっと多彩な音色作りができます。

現在ではVSTiの仮想FM音源や(VOPM等)←MIDIから操作
Flash(アクションスプリクト)による仮想的なFM音源もあります←MMLやasから操作
・SiON(http://mmltalks.appspot.com/) ごく最近にはこれをつかった「すたどんたん」が流行ってます。
・FlMML(ピコカキコ、にこにこ大百科)等
特に上記2つの仮想音源には大変お世話になり、感謝しています。